プロゴルファー猿をリアルに検証してみる 【前編】
ゴルフ漫画と言われれば?少年ジャンプで掲載されていた『ライジングインパクト』、映画化までされた『プロゴルファー織部金次郎』、ちばてつやの名作『あした天気になあれ』など様々なゴルフ漫画がありますが、シッポ隊長は『プロゴルファー猿』を思い浮かべます。
ドライバー1本で迫りくる敵や難題を次々にクリアする猿の奮闘は、ゴルフのルールが分からなくても子供ながらにワクワクしてTV画面に張り付いていました。
時は流れすっかりゴルフにハマった隊長ですが、ふとした瞬間に「プロゴルファー猿って確か半袖半ズボンだったよな。あれってそもそもマナー違反じゃないの?」とくだらない疑問が頭をよぎりました。
ストーリーはほぼ忘れていますがGyaoにて1話が無料で公開されているので、懐かしさを求めて見てみると、想像以上に『あり凄い世界』と予想外に『キチンとしたゴルフ解説』がされており、結果として子供に見せるゴルフアニメとして十分に楽しむことができました。
そこで藤子不二雄Aの名作『プロゴルファー猿』をリアルに照らし合わせて検証しつつ、その魅力をご紹介していこうと思います。※ネタバレ含みます
まずは基本情報です。
1974年 - 1980年に『少年サンデー』(週刊、増刊)で連載された少年漫画初のゴルフ漫画であり、賭けゴルフを生業とする野生児「猿丸」が様々なゴルファーとの対決を繰り広げた末にプロテストに合格するまでを描いている。
本作における世界には、現実世界には存在しない「裏のゴルフ界」があり、現実離れした荒唐無稽のキャラクターや技、ゴルフコースも多く登場するが、風速・残り距離・芝目などといった基本情報はしっかり描き込まれている。
主人公:猿谷 猿丸(さるたに さるまる) 昭和38年3月10日生まれ 猿の家族:中丸(メガネ) 大丸(太っちょ) 小丸(末っ子) 母・姉・ゴエモン(犬) 引用:Wikipediaより
猿の苗字が「猿谷」・・・30年以上たって初めて知rました。ずっと『猿は猿』と思っていましたので苗字なんて子供の頃は深く考えていなかったんですね。猿の家族で母・姉の名前が出てこないのは物語中『母ちゃん・姉ちゃん』で通しているからだと思います。子供の頃は『姉ちゃんは姉ちゃん』で疑問に思うことすらありませんしたが、大人になった今気になって仕方ありません。
前置きはこのぐらいにして、早速第一話を見ていきましょう!
オープニングは荒波に立つ猿の勇ましいシーン
『ワイは猿や!プロゴルファー猿や!』とお馴染みの決め台詞があり、曲がスタートしました。
どうしましょう。正直わくわくが止まりません。
カッコよすぎます。半袖半ズボンで5㎡の荒波の岩場に立つ猿。
高波が来たら『一発で持っていかれるシチュエーション』です。
地上波で再放送したら『子供が真似したらどうするんですか!?』とTV局に抗議が来るかもしれません。
オープニングで流れる曲ですが、歌詞が良かったので。ご紹介します。
題名:夢を勝ちとろう」 作詞:藤子不二雄Ⓐ ※コロムビアレコード
つむじ風まう ティグランドで 狙うはグリーンのターゲット
大地をつかむ両足と 闘志をつなぐ両腕に
命をかけたこの一打
白いボールよ 火と燃えよ
(サビ)
飛べ 速く 強く 高く 飛べ 速く 強く 高く
雲を裂き 嵐を呼んで 夢を 夢を 夢を
夢を勝ち取ろう
藤子不二雄A先生が作詞してたんですね(驚)
曲のテンポといいテンションが上がり、コース前のドライブミュージックに最適な1曲です。年代を選ぶと思いますが、プロゴルファー猿を見たことのある世代のゴルファーでしたら一度聴いてみてください。胸に刺さると思います。
いよいよ物語が始まり、OBボールを探して木を飛び回る猿のシーンが映し出されました。まさに野生児そのものです。
そして猿と幾度となく賭けゴルフをする中年ゴルファー「おっちゃん」がボールを探しに林の中へ入っていくといよいよ猿と出会います。
※木からボールを拾いに降り立った猿
全盛期のタイガーウッズを彷彿とさせる見事な広背筋です。これでアニメ当時の年齢が14歳設定ですから、驚愕です。
おっちゃんはニューボールを打ち込んでしまったらしく、『1,000円もしたので絶対にしてもらう!』とキャディにブリブリ怒っていますが、当時のニューボールってそんなに高かったのか?と思い検証してみました。
猿の年齢が14歳で昭和38年生まれですから、この時の時代設定は昭和52年(1977年)となります。バブルの入り口となり、アメリカを中心とした各国との貿易で経常黒字が激増した時代でゴルフ人口も急激に増えていたことでしょう。
当時の価格を調べようとしましたが、私の検索能力では一向にヒットしませんでした。しかしブリヂストンのサイトでボールの歴史を見ることができ、1977年はネーム下のディンプルが初めて採用され、真球との均一性を高めたとのこと。もしかしたらおっちゃんのボールは当時の最先端かつ最高級のボールだったかもしれませんね。
物語は進み一向にボールを見つけられないキャディに対し、ブリブリ怒るおっちゃんに向けて猿が諭します。
猿「おっちゃん、スポーツをやる人として最低やな。」
おっちゃん「なんだと?」
猿「自分がヘタクソだからこんな林の中に打ち込んだくせに、ボールが見つからないからといってキャディのおばさんにあたるなんて」
どうしよう。すごくマトモな正論です。ごくごくまれにこういうゴルファーを見かけます。林の中に打ち込んでムスッとしながら探して周りに当たり散らすのを見ると、遊びに来ているのに『なんだかなぁ・・』と感じてしまいます。
そんなことするぐらいなら「練習して再トライしよう!」と思った方が、よっぽど前向きになれると隊長は思います。ちなみにそんな場面では『プロゴルファー猿の第1話を見てください、ゴルファーとして大切なことを猿が伝えてくれますよ』とさりげなく伝えてみようと思います。伝わるかは謎ですが(笑)
さて、この会話がキッカケでおっちゃんと猿は1ホール限りの勝負をすることになりますが猿はこう言います。
猿「こう見えてもワイはプロや。プロには賞金がつきもんやからこの勝負に2,000円を賭けようやないか。」
言っていることがマトモそうで無茶苦茶です(笑)
まさかの賭博発言をブッこんできました。プロだから賞金がつきものって「自称プロ」にも適用されるのかと。賭けゴルフで一時期週刊誌をにぎわせたさ〇らパパもこの猿のクダリを言えば言い逃れできたかもしれません。
カジノ法案でさえリニアに反応する現代社会でこのアニメを放映したら、間違いなく「子供の教育上よくない!」とTV局の電話が鳴りやまない事態になると思います。考えれば考えるほど、こんなことがサラリと受け流せる昔の方がおおらかな感性をしていたなぁとしみじみ思います。
ここで勝負の前にディンプル君が登場し、基本的なゴルフのルール解説をしてくれました。
ディンプル君曰く『ゴルフという競技は昔イギリスの羊飼い達が石を棒で叩いたのが始まり』とのこと。思わぬところで本格的な豆知識を視聴者に与えてくれます。
基本的なルールは単純で『決められた距離の芝生の上でボールを飛ばし、いかに少ない回数でボールを穴に入れるかを競うゲームである』とディンプル君が教えてくれます。超わかりやすい説明です。
おっちゃんと猿との勝負は池越えのパー3:137mで行うこととなりました。そういやこの頃の日本はヤードではなくメートル表示が普通だったんですね。1ヤード=0.9144メートルとなりますので、137mは約150ヤード。よくあるパー3です。
おっちゃんはキャディに言います。
「アイアンの5番をくれ」
今の男性ゴルファーからすると、「150を5番!?ありえなくない?」となるかもしれませんが、当時はクラブとボールの性能も現在とは比べ物になりませんので、一般的な選択だと思います。
おっちゃんが先行で打つことになりますが、彼は猿に心理戦を仕掛けます。
おっちゃん「おい猿、1,000円が惜しければ今のうちに降参したらどうだ?」
迎え撃つ猿は当たり前のようにこう言いました。
猿「バカなこと言うなよおっちゃん。決闘で拳銃を抜いてからやめたなんて言えるかよ」
決闘で拳銃を抜いてからやめるなんて言えるかよ
・・・惚れました。男性なら一生に一度は言ってみたいセリフランキング、間違いなくベスト3以内は固いと思います。
この猿の発言で力が入ったのか、おっちゃんの球は左に大きく曲がり池のふちへ、しかしここで池のふちの石に当たり、グリーンオン!ピンまで2mのミラクルが発生します。
喜ぶおっちゃん、猿は大ピンチ!おっちゃんは『ワシが勝ったも同然だな、猿ちゃん』っと勝者の余裕さえ見せています。
そんな舞い上がるおっちゃんを横目に猿は言いました。
猿「どうや?賞金は倍の4,000円にしないか?」
もちろんおっちゃんは即答でOKします。何と言ってもピンそば2m、最低でもパーが拾える状況ですし、プレッシャーがかかるのは猿の方ですから負けは考えにくいでしょう。
そして猿がアドレスに入ります。空を見ると鳥が左から右へ飛んでいくのが確認できました。これを見て猿は上空の風が左から右へ流れていることを確信し、体を左の崖方向に構えます。
それを見ておっちゃんは、『バカめ、それじゃあ左の崖へ落とすだけだ』とほくそ笑みます。コースではまっすぐ立っているつもりでも、想像以上に右向き、左向きになっている場合がありますよね。ゴルフならではの心理的な描写も上手く取り入れながら物語を盛り上げてくれます。きっと当時子供だった私は『猿!そっちじゃないよ!もっと右!右!』と応援していたと思います。
猿がドライバーを振り上げ、理想的なタメの後、力強いインパクトでボールを打ち出しました。もちろんボールは左崖方向へ飛んでいきます。
おっちゃん「やったー!崖下の方へ行ったぞ!」
数分前に猿からスポーツマン精神について指摘を受けていたのに、そんなことお構いなしです。ゴルフをする時は身内とはいえ、あまり他人の不幸を笑うことはしない方がいいと思います。なぜならそのツキのなさは巡り巡って自分に返ってきますから(体験談)
ボールの行方は崖下に落ちると見せかけ、強烈なスライス(左から右への球)のサイドスピンと左から右への風によって、グングンピン方向に曲がります。
猿「よおし!!」
呆然とするおっちゃん!
ピンに向かっていくボール!!
『バシュ!!』
キターーーーー!!!!ゴルファーならホールインワンと同じくらい一度はやってみたい『旗つつみ!!』猿の代名詞ともいえる必殺技が第一話にして炸裂しました!!
もちろんボールはカップに向かって一直線。
この勝負猿の勝です。
悔しがるおっちゃん「クソ!・・・あんなマグレが入るなんて」と思わず恨み節が出てしまいます。するとそこへ
「マグレじゃありませんよ」
猿ファミリーの登場です。左から大丸・中丸・小丸・ゴエモン(ペット)です。大中小で名前を付けたんですね、適当なネーミングセンスもいいところですが、なぜ長男だけ『猿丸』にしたのか深く考えたらダメな気がします(笑)
ゴルフ場にメンバー外の子供と犬が入っているのにも関わらず、そのことに対してキャディもおっちゃんも一切指摘しません。管理がズボラすぎます。最近はペット同伴OKのゴルフ場も増えてきましたが、規則上禁止されるはずですけどね。
おっちゃんは一升瓶の中に入っている液体を飲む小丸を見て「なんやそのチビ?酒飲んどるやないか」と指摘します。
猿「小丸の栄養ドリンクだよ」
中丸「ラジウム光線入りのミネラルウォーターです」
すいません、全く理解できないです(笑)
ラジウム光線入りのミネラルウォーターって何ですか?気になって調べても水販売サイトが羅列されるだけで、健康への効果について科学的に明確な根拠を見つけることはできませんでした。アニメ放映時から30年経過した現代科学でも効果を明確にすることができない水を飲む未就学児。
平成の世では地上波放映を諦めるしかなさそうです。
中丸曰く、旗つつみは猿の得意技であり、今のはマグレではなく狙ってやったとのこと。信じられないおっちゃんを尻目に、
猿「信じる信じないはおっちゃんの自由や、けど賞金は貰っていくで!」
とお金を奪って颯爽と森に消えていきました。
画面が引いていき、猿の姿に熱い視線を送る人影が映ります。そう、待ちに待ったあの人の登場です。
出ました!この後猿に次々と影のプロゴルファー軍団を送り込み、時には猿の成長を手助けするためのトレーニングを施す「敵だか味方だかいまいちよく分からないミスターX」の登場です!!
ミスターXさん、猿の技術や将来性を買い「必ずわが組織に入れる」と意気込むのは良いのですが、ゴルフ場にはドレスコードがあるというのはご存知ですか!?
あなたの格好、ドレスコード以前に不審者です!
・ゴルフ場ではグリーン保護のためソフトスパイクをご使用ください。サンダルはNGです。(革靴OK)
・袖および襟付きシャツを必ずご着用ください。(ハイネック・タオートルネックは可)
これの規定に照らし合わせてみたいと思います。
靴はサンダルではなく、恐らく革靴と思われるのでOKです。襟付きのシャツを着ており、帽子もかぶっています。
・・・・アレ?実はドレスコード上問題ない???マスクだって『すいません、酷い花粉症持ちなんです』で十分な理由となります。3月4月はミスターXまで行かなくても、近い格好しているゴルファーを見かけますから。
なんてことでしょう。絶対にドレスコード違反と思っていたミスターXが、まさかのドレスコードOKのスタイルでした。猿は裸足なので、サンダル規定に抵触すると思いますが、さすが影の組織のボス、紳士のスポーツであるゴルフマナーをきっちり守っています。疑ってすみませんでした。
次回はいよいよミスターXが送り込む最初の刺客が登場します。果たして猿の運命やいかに!?
本日もご来場ありがとうございました。
この記事の動画はGyaoの公式HPより引用させていただいております。
プロゴルファー猿 話数限定-動画[無料あり]|GYAO!|アニメ
※画像の引用には著作権に配慮し、適切な枚数とコピークレジットを入れさせていただきましたが、著作権を侵害する箇所があれば修正いたします。
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